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Q1 |
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頭痛外来を受診する場合の、費用の目安を教えて下さい。 |
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A |
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頭痛外来については健康保険での治療となりますので、通常の病気と同じく、自己負担分は通常3割程度です。[以降、自己負担分について]お薬代は片頭痛のトリプタン製剤が含まれない場合、10日分程度の量を処方しても1,000円位ですが、トリプタン製剤は1錠・1回分で300円程度かかってしまいます。これはスター○ックスのコーヒー1杯分くらいに相当してしまいますが、とてもよく効くお薬なので片頭痛の方にはお勧めしています。初診時は初診料や検査、処方せん代を合わせておよそ8,000円を目安にお考え下さい。 |
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Q2 |
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頭痛がない時に受診をしても良いのでしょうか。 |
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A |
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当院の頭痛外来を受診される患者さんのほとんどが、頭痛が起きていない時に来院されています。頭痛が起きている時に病院に行くのは大変でしょうから、普段の状態の時に受診して頂くのをお勧めします。頭痛ぐらいで病院に行っても良いのかしら、とお思いの方もまだ多いようですが、当院の院長も“頭痛持ち”ですので、お気軽にご来院下さい。 |
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Q3 |
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片頭痛に効果的なトリプタン製剤と、普通の痛み止め(解熱鎮痛薬)はどのように違うのですか。 |
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A |
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まず、片頭痛が起きるメカニズムを説明します。
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ストレス等の原因により、血液中に脳内物質“セロトニン”が大量に放出される
A
頭の血管が収縮し、脳血流の低下が起きる(この時、前兆症状の「チカチカした光」が見えることがある)
B
その後、反動でセロトニンの不足が起き頭の血管の拡張が起きるため、その血管周囲の三叉神経に炎症がおき、頭痛が発症する
トリプタン製剤は、このBの血管の拡張および三叉神経の炎症をストップします。
解熱鎮痛薬は、炎症の原因となるプロスタグランジンという物質を作る過程をブロックする効果があります。しかし片頭痛に関しては通常の炎症でなく、“頭の血管の拡張および脳神経のひとつである三叉神経の炎症”という特殊な状態が原因ですから、解熱鎮痛薬ではあまり効果がありません。片頭痛に対してはトリプタン製剤が最も効果があります。
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Q4 |
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片頭痛の痛みが起きた時は吐き気が強く、薬を飲むことが難しいのですが・・・ |
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A |
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トリプタン製剤には、内服以外にも点鼻薬などもあります。また、服薬のタイミングがとても重要で、頭痛が始まったらすぐに使用することが大切です。時期を逃すと効果がでにくいためです。 |
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Q5 |
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頭痛の予防薬はあるのですか。 |
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A |
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片頭痛の予防薬として降圧剤の仲間の薬がありますが、完全に防ぐことはできません。片頭痛は若い女性に多い病気で、最近の若い女性は低血圧の方が多いので、当院ではあまり積極的に処方をお勧めしていません。また、片頭痛を含め機能性頭痛は日常生活で予防するためのいくつかのコツがありますので、まずはそこから試してみるのが良いと思います。 |
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Q6 |
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頭痛はお薬を飲むなどの治療で、いつか完全に治すことができますか。 |
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A |
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原因のはっきりしている症候性頭痛で外科的に原因が除去できる場合は完全に治すことができるのですが、いわゆる“頭痛持ち”=機能性頭痛の場合は、体質的なものですから、体調によって繰り返すものです。頭痛薬というのは痛みを止めるものであり体質改善薬ではありません。上手に薬を使ったり頭痛を起こしにくい生活を心がけるなど、頭痛とうまく付き合って行く方法を見つけましょう。 |
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Q7 |
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片頭痛に対して、薬以外の自分でできる対処法があれば教えて下さい。 |
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A |
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悪化させる要因を知り、それを避けることが対処法となります。
片頭痛の悪化要因
睡眠不足、ストレス、過労
空腹(低血糖)
人ごみ、光や音
チョコレート、赤ワイン、チーズなど、特定の食べ物や飲み物
頭部を温めること等、血管を拡張させること
片頭痛の対処法
まず、外出先でも使えるようにサングラス・アイマスク・耳栓を持ち歩き、頭痛の予兆が来たら人ごみを避けて光や音を遮ることができると良いですね。また自動販売機などがあれば、砂糖入りの冷たい缶コーヒー等のカフェイン入りのドリンク(カフェインは血管を収縮する効果がある)で、こめかみ付近を冷やしながら飲むことをお勧めします。ところで休日など、ストレスから開放され朝寝坊をした時に片頭痛が起こることもあります。寝すぎると頭の血管が拡張しやすいためですが、悪化要因から開放された時に頭痛が起こることもあるので、注意が必要です。
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Q8 |
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自分の頭痛が混合型頭痛の場合、頭痛が始まった時に、「今の頭痛が片頭痛なのかそれとも筋緊張型頭痛なのかを見極める」方法を教えて下さい。 |
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A |
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片頭痛に関しては、その人なりの症状の特徴や、頭痛が起こりやすい状況があるものですが、
≪日常生活に影響する程の随伴症状がある。≫
≪症状の変化がある。≫
という2つの大きな特徴があります。例えば、片足で軽くトントントンと跳んでみたら頭に響いてつらいとか、始めは肩こりのひどいような痛みだったのが拍動性のズキズキした痛みに変化してくるなどがあれば、それは片頭痛の発作である可能性が高いと言えるでしょう。
片頭痛に効果的であるトリプタン製剤は、片頭痛の発作が始まったら早めに服用することが大切です。もしも服用するタイミングを逃してしまうと頭痛発作が進み三叉神経の痛み信号が脳の中で広がってしまうため、薬の効果が現れにくくなってしまいます。
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Q9 |
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女性の場合、ホルモンの影響で頭痛が起こりやすいということもあると聞きましたが・・・
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A |
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生理前や更年期などで女性ホルモンのエストロゲンが減少すると、セロトニンが減りQ3のBの状態になるため、片頭痛が起こりやすいと言われています。また、生理前や更年期には肩こりも悪化しやすいため、筋緊張型頭痛も起こりやすいですね。生理不順や更年期症状などに思い当たることがある方は、まず産婦人科を受診して相談されることをお勧めします。また、妊娠中はエストロゲンが増えるために片頭痛が起こりにくいのですが出産後はまた再発します。 |
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Q10 |
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私は頭痛持ちで、これまで市販の頭痛薬で対処してきましたが、このまま続けていても良いでしょうか。 |
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A |
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市販の頭痛薬を長期に渡って服用するなど、自己流の対処を続けていると、薬が効きにくくなったり、知らず知らずのうちに薬物乱用の状態に陥ってしまう方もいますので、頭痛の専門医師に相談されるのをお勧めします。 |
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Q11 |
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危ない頭痛の場合は、どのような症状ですか。 |
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A |
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いつもと違う頭痛だと感じたら、医療機関を受診しましょう。命にかかわる病気が発見されることもあります。特に下記のような場合は、緊急事態と考えて下さい。
・今までに無い、強い頭痛
・突然の強い頭痛
・痛みの程度がどんどん強くなっていく頭痛
・発熱を伴う頭痛
・手足のしびれまたはけいれんを伴う頭痛
・意識がもうろうとなる頭痛
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